ROS Merodicをubuntuに導入する手順
ロボット制御の必需品とも言えるROS。Linux・ROSの導入にあたり、苦労している人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ROSの最新バージョンをubuntuに導入する手順を順番に紹介していきます。
ROSのディストリビューション
ROSにはパッケージが毎年リリースされます。
- ROS Kinetic Kame (2016年)
- ROS Lunar Loggerhead (2017年)
- ROS Merodic Morenia (2018年)
2019年1月現在、最新バージョンのMerodicというディストリビューションが推奨されています。
ROSのインストール
早速インストール手順を見ていきましょう。本家のインストール手法のサイトはこちら。
本家のサイトは全て英語です。わかる方はそちらでも良いでしょう。
sources.listの設定
はじめに、sources.listというファイルに設定を追記します。
これで、ROSが提供しているパッケージをソフトウェアセンター(aptというコマンド)で利用できるようになります。
$ sudo sh -c 'echo "deb http://packages.ros.org/ros/ubuntu
$(lsb_release -sc) main" > /etc/apt/sources.list.d/ros-latest.list'
鍵の設定
続いて、鍵の設定をします。この設定をすることで、aptにてROSのパッケージ群をインストールすることができるようになります。
$ sudo apt-key adv --keyserver hkp://ha.pool.sks-keyservers.net:80 --recv-key 421C365BD9FF1F717815A3895523BAEEB01FA116
ROSのインストール
続いて、ROSの本体をインストールします。(結構時間がかかります。)
ubuntuでは基本的にapt installコマンドの直前にapt updateを挟みます。
(apt updateコマンドで、利用可能なパッケージ一覧を更新します。そうすることで、次のapt installコマンドで最新版を取得することができます。)
$ sudo apt update
$ sudo apt install ros-melodic-desktop-full
ros-melodic-desktop-fullというフルパッケージ以外に、一部の機能のみをインストールするパッケージも存在しますが、ROSの公式サイトではフルインストールを推奨しているので、特に問題がなければこれでOKです。
ちなみに、フルパッケージ以外のインストールは次のようなものがあります。
- デスクトップインストール (ROS, rqt, rviz, and robot-genericライブラリのみのインストール)
$ sudo apt install ros-melodic-desktop
- ROS-Base (ROSパッケージ, build, and communicationライブラリのみ、GUIツールなしのインストール)
$ sudo apt install ros-melodic-ros-base
rosdepの初期化
ROSの依存関係を解決してくれるrosdepの初期化を行います
$ sudo rosdep init
$ rosdep update
環境変数の設定
環境変数を設定することで、ターミナル上でROSを使用できるようになります。
下記コマンドで、~/.bashrcというターミナルの設定ファイルにROS関係の設定を追記しています。(分かる方は~/.bashrcファイルを直接編集しても良いでしょう。)
$ echo "source /opt/ros/melodic/setup.bash" >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc
パッケージのビルドに必要なツールのインストール
自分でROSのコードを書いてビルドする際に必要なツールをインストールします。
$ sudo apt install python-rosinstall python-rosinstall-generator python-wstool build-essential
ここまでで、ひとまずROSのインストールは完了です。
次に、ROSのワークスペースを作成しましょう。
ワークスペースの作成
ROSの作業場、workspaceを作成します。ワークスペース名は”catkin_ws”としています。ワークスペース名は任意の名前をつけていただいて構いません。(が、ROSのチュートリアルなど、多くのドキュメントでは”catkin_ws”という名称で説明されています。特にこだわりのない方は”watkin_ws”で良いでしょう。)
$ mkdir -p ~/catkin_ws/src
$ cd ~/catkin_ws/
$ catkin_make
上記コマンドを実行し終えたら、「ワークスペースがここにありますよ。」という設定を~/.bashrcに追加します。(こちらも分かる方は~/.bashrcを直接編集しても良いです。)
$ echo "source ~/catkin_ws/devel/setup.bash" >> ~/.bashrc
~/.bashrcに書き足したら、変更を反映させるためにもう一度読み込みます。
$ source devel/setup.bash
ここまで正しく設定できていれば、環境変数$ROS_PACKAGE_PATHに先ほど作成したワークスペースのディレクトリ内のsrcフォルダが追加されているはずです。確認してみましょう。
$ echo $ROS_PACKAGE_PATH
/home/youruser/catkin_ws/src:/opt/ros/kinetic/share
一行目をターミナルに打ち込むと、二行目のような出力が得られると思います。
出力はコロン(:)区切りになっており、そこに”/home/youruser/catkin_ws/src”という文字列が入っていれば正しく設定できています。
確認してみてください。
以上でROSMelodicのインストールとワークスペースの作成は終了です。お疲れ様でした。